九十九草・「平賀さち枝」のライブ

 11月3日(金)九十九草で行われた「平賀さち枝」の2ndアルバム「真っ白な気持ちで会いに行くだけ」をひっさげたライブへ行ってきました。

 単純にびっくりしたのは、そのかわいさ。下手なアイドル顔負け(アイドルのライブには、行ったことないけど)のかわいさ。

 いっしょに行った病み上がりの友達は、完全に惚れてた(看護師さん以外の女性をしばらくぶりに見たってこともある)。

 小さくって、キノコの山のおかっぱで、にじみ出るキャラクターのよさが抜群に光っていた。やっぱり、髪型がめちゃくちゃ似合っていた。

 あとは、お喋りの上手さ。今まで、苦労して、一生懸命ライブを重ねてきた経験が生きてるんだろうけども、聞いてて、うまいなぁと唸らされた。自然と笑った。

 身辺の事を語って、感情を伝えているだけで、こちらの心をほぐすようなユーモアを感じさせるのには、まいった。持っていかれた。

 もしかして、本人的には、お喋りに苦手意識があるかもしれないですが、ほんとにラジオとかやったらいいのに(もしかして、もうやってる?)と思った。このラジオパーソナリティーの素質は、ちょっと、発見だった。

 あとは、フィンガーピッキングの上手さ。古き良きアメリカーナなフォークソング。感覚だから、東京の人には、伝わらないけど、水沢(奥州)の常盤新平のアメリカに近いアメリカの匂い。岩手にいながらにして思うちょっと雨に濡れたようなアメリカというか、なんかそういうなんかのなんか。たぶん、本当のアメリカよりも、野蛮さがなく、本当のアメリカよりも優しい想像のアメリカ。

 特にも、セルフアンコール(恥ずかしいからという理由で、一旦、はけずに、そのまま歌いきった。)で披露された「白い光の朝に」は、その、前のくだりで自分がかっこつけて語った想像のアメリカと岩手的な叙情がそれはそれは、いいミックス配分で溶け合っていて、そりゃあ、FMで流れるよな。だって、こっちの風土になんか似合うからなぁと思った。

「佐々木龍大」の「ボンボヤージュ」にも似たような感覚があって、帰り道の気分になるというか、ジワリと来る。松本哲也にはあんまりない。また、別の感覚がある。ないからって、悪い訳じゃないし、これは、個人の感覚のはなし。

 こう、言われたら、面白くないかもしれないけど、本人の存在の魅力が上乗せされる分だけライブの方がよかった。うっかり、東京のホームカミングスとやるやつも、行こうかと考えたぐらいだ。お金もないくせに。

 地元の応援がほしいとのことだったが、人にすすめるぐらいしかないので、人にすすめようと思った。