ロン毛は、病気じゃない

 去年、同級生たちが集まり、お酒を飲みながら、話をしていた。
 その中で、ある人物がある場面に集中豪雨的に「何?そのロン毛」と言われていたことがあった。

 確かに、言ってるとおりの正真正銘掛け値なしのロン毛なのである。
 しかし、恥ずかしながら、自分としては、そのロン毛をあまりにも自然なこととして受け止め過ぎていて「何?そのロン毛?」って、思ったことがゼロだったから、自分が言われたわけじゃないけれど、まるで自分が言われたかのように焦り、心揺れた。

 その人たちの意見は、大正論な意見で大アリだと思った。そのとおりじゃないかなって。

 そもそも、昔の侍って、ちょっと趣旨は違うけどロン毛じゃない?それに意味は違うけど、女の人たちだってロン毛じゃない?グループサウンズの人とかやってなかった?マチャアキもそうじゃなかった?かぐや姫は?それこそ金八は?熱中時代は違うか。夕日ヶ丘の総理大臣は違うかってのはあるが、

 ロン毛って、やっぱり保守的な日本人の目からしたら男性のとしては、いくら、キムタクなどのパイオニアが文化的風穴を開けようが、ブラピがゴーマルシャンと歌おうが、まだまだ、時代の段階的には、そこまで推奨はされてないというか、スタンダードではないような、嫌悪感は薄まっても、ちょっといただけない髪型だとされている気がする。

 だから、ロン毛は、未だに若干の「異端者のしるし」として機能している現状というのが、厳密には知らないが、あるとすれば、「そのロン毛、何?」という方が誰が見ても圧倒的に正しく、むしろ、言われた人がそういう風に変に思われたり、損しないように、心からの親切心で言っているに違いないのだ。

 じゃあ、自分はというと、その人のことを「ロン毛でいいんじゃないか。」と思っているのである。ジョジョアバッキオみたいで、いいじゃん。決して似合ってなくはないと思うしと。

 それは、なぜかと尋ねられたら、自分はその人に「異端者」であってもらいたいと思うからだ。

 だから、こっちに迷惑をかけたり、公序良俗に反したり、その人の命を縮めることでない限りは、むしろ、もっともっと破壊的に、アヴァンギャルドに燃やし尽くす勢いでやってくれないかと思っているのだ。

 バカな話で恐縮だが、へそピアス・舌ピアス、右手をドリルにしたり、サイコガンにしたり、ロックマンにしたり、顔面を実家に帰るときだけ「ヘル・レイザーのピンヘッド」風にしたり、命に別状さえなければ、「ホムンクルス」の「トレパネーション」なんかもやってくれたらなと本人には伝えないが密かに思っている。

 言ってみれば「サイキックTV」のジェネシスのクラスまで、行ってくれたらってのがある。そうなったら、極点まで達したリスペクトの念から、ほんと土下座するしかない、降参の意味で失禁するしかないと思うし、自分は、壊れたサルのおもちゃのように手を狂い叩いて喜ぶのが目に浮かぶ。